
火災保険は戸建てとマンションでプランの選び方や保険料の相場が変わってきます。
しかし、火災保険の商品は戸建てとマンションで共通です。
保険料の相場に差がある理由や補償内容の決め方が異なる点など、戸建てとマンションの違いを徹底解説いたします。
火災保険は以下3つの構造級別によって保険料率が変わります。
M構造 (マンション構造) |
T構造 (対火構造) |
H構造 (非耐火構造) |
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条件 | コンクリート造などの共同住宅 | コンクリート造、耐火建築物、準耐火建築物など | M構造にもT構造にも該当しない |
保険料率 | もっとも安い | H構造より安い | 高い |
マンションはM構造になるケースが多く、戸建ては割安な建築コストで建てられた家の多くがH構造になります。
構造級別による保険料率の違いが、戸建てとマンションで保険料に差が出る要因のひとつです。
戸建ての場合は建物全てが火災保険の対象になり、塀や門も建物として扱われます。
マンションで各部屋の住人・オーナーが加入する火災保険は専有部分のみになり、共用部分の火災保険は管理組合が加入します。
火災保険料は保険金額の設定で大きく変わり、戸建ては全焼時に新築への建て替えができる金額にしないといけません。
低コストの分譲住宅でも戸建ての建築費用は1,500~3,000万円が相場で、注文住宅だと4,000万円以上の建築価格になることもあります。
分譲マンションの火災保険設定額の相場は、一般的な3LDKの分譲マンションで600~1,500万円程度になります。
保険金額の違いと高額な保険金額に設定する必要性の違いが、火災保険料に大きな影響を与えています。
分譲マンションの場合は管理費と修繕積立金を毎月払う必要があり、管理費の中には共用部分の火災保険・地震保険が含まれています。
管理費が安いマンションは地震保険に加入していないケースが多いので注意しましょう。
また、マンションは火災保険の見直しをする際に組合の決議を取る必要があり、補償内容を変えるのは容易ではありません。
昨今は水災や風災リスクの補償有無を選択できるリスク細分型の火災保険が増えています。
戸建ての場合は隣接する道路が洪水になれば床下浸水になるリスクがあり、風災リスクでは窓ガラスが割れるほか外壁や屋根の被害リスクがあります。
マンションは2階以上なら専有部分の浸水リスクが低く、風災で被害を受けるのは窓ガラスとベランダのみです。
(外壁は共用部分の火災保険で対処)
マンションだから風災や水災への補償が不要になるわけではないですが、補償内容を最小限に抑えても戸建てより低リスクになるケースがあります。
集合住宅の場合は、同じ建物内で発生したトラブルで以下の影響を受ける恐れがあります。
マンションは自分の家以外で発生した火災や水濡れの被害を受けやすいので、最低限の補償を付けておく必要性が高いです。
賃貸の場合は他の部屋や共用部分に損害を生じさせた際の賠償金を補償する「借家人賠償責任特約」を付ける目的で、入居者に賃貸向け火災保険(家財保険)への加入を義務付けています。